最後

たった2文字がこんなにも重たいなんて、知らなかった

分かったつもりになっていて、でも本当はなにも分かっていなかったのだとまた、思い知ってしまう。
これからもきっと分からないままなのだ、ということも。

「また会える?」と聞くと、
彼女は困ったように笑って、答えは返ってこなくて
涙が溢れてたまらなくなって、それで、
「会えなくてもずっと大好きだよ」
と伝えて、それで、終わり。
そんな夢を見た、9月のことだった。
あれから2ヶ月が経とうとしている、
季節はもう変わってしまった。


12月10日が終わっても、
わたしの人生というやつは勝手に、何事もなく、進んでいってしまう。
こんなにもだいすきだという感情は真冬の空に溶け出したまま、
時間にも季節にも大気にも世界にも、
人生にも、
なんの影響も与えないのだ、
かなしいくらいに。

それでも、だからこそ
"加賀楓"という存在が、
こんな平凡なわたしに見せてくれた光を、
あの煌めきを、
ずっとこの中に留めておきたいと思う